以前であれば話にならないレベルであったのに、Google翻訳などのAIによる翻訳技術は、ほんとうに日進月歩。とはいえ、関係代名詞だとか分詞構文が絡んでくるような表現であると、修飾関係が怪しかったりして、まだまだ不完全な部分があります。というわけで、英文法の知識+英文解釈のブラッシュアップを兼ねて、「マスター英文解釈」(金子書房)を使ってみました。初版は1997年ですから、私が大学受験のときにはこの世にまだありません。
マスター英文解釈とはどのような参考書?
ひとことでいうと、昭和の香りが濃厚な参考書ですw
カラーによる強調とか、見栄えのする体裁とか一切ナシ。自分でアンダーラインを引いたり、マーカーで線を引いたりしないといけない。ページをめくって「もう無理」という人は多いかもしれません。特徴はというと…
- 見開き2ページで、一つの単元という構成。左ページに重要表現の解説、右ページでA,B,C3つのレベル別和訳演習問題(解答は巻末に)
- 5文型から始まり、目的語、目的格補語、不定詞、関係代名詞、二重制限、関係形容詞、比較、仮定法、倒置、省略といった文法事項をおさえる「英文解釈の体系」の章。
- if ever, if any, if at all、などちょっと厄介な構文を取り扱う「解釈の重要語句・構文」の章。
- 増補篇では、解釈上誤りやすい重要語をフォローし、コロンやセミコロンなど句読点の用法も網羅的に解説。
数学で言うと青チャートだとか、New Action Legendのような、網羅的参考書に相当するようなイメージでよろしいかと。とにかく、網羅的なので、この参考書を仕上げると、かなり英文解釈力がつくと思います。
どのような人が使うべき?
- 文法事項の基本的なインプットが終了していること。たとえば、TOEFL®TEST対策完全英文法(トフルゼミナール)の、Stage1は終えているレベル。
- 解答+解説が簡略なので、自力で構文だとか文の要素に分解できないと、キツイです。
どのような使い方をした?
- 1日に3つの単元(6ページ)程度を消化。左ページを斜め読みし、ABC全レベルの問題(第1問~1093問)の和訳をノートに書き出す。解答を使って答え合わせ。
- 間違っていた箇所を、やり直し(2周しました)↓こんな感じでノートに。
以上を、3か月でこなしました。これから大学を受験される、という方はもう少し余裕をもって時間をかけるほうがよいでしょう。
この参考書の後は?
いちばん難しいCレベルの演習問題でも、そこまで長い文章ではないので、もう少し長めの文章で演習できる、英文標準問題精講(旺文社)を使っています。「マスター英文解釈」の著者である中原道喜氏が補訂を行っているためか、同じ英文が使いまわしされていることもしばしば、ですw